FC2ブログ

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

エル・スール

2010年07月31日 23:52

エル・スールエル・スール
(2009/02)
アデライダ ガルシア=モラレス

商品詳細を見る

同名の映画のファンなので、図書館で借りて来ました。
折りたたみで映画のネタばれも含む感想です。
文章の繊細さが特に印象に残りました。生牡蠣のような感性、と謳う詩があったけども、表面が柔らかな牡蠣のようで、中身はもっと芯の強い感じ。

映画版の筆舌尽くしがたく美しい情景が、その家や荒れ野のイメージと重なったり離れたりして浮かびます。言葉によって別の場所へ誘われるのがちっとも不快じゃない。

閉塞的な家の中で、父と子、南と北、キリスト教と異端、その他沢山の矛盾する要素を内包しながら少女は成長します。静謐な独白なのに、朝顔のつぼみが開くのを待つ小学生のどきどき(期待とか不安とか)を持ちながら読んでました。

最後の章を映像化出来なかったのがつくづく惜しい。映画では主人公と父の、そして北と南の和解を予感させる演出がなされていて、その期待を持ったままエンドロールを迎えます。それで十分なのかもしれませんが、文章でスペイン南部の光景を読んでしまうと、エリセ監督の映像でこれが見たかったとつい思ってしまう。

短かったので、だらだらと読んでも二時間程度で済んでしまった。でも内容は濃かった。著者のほかの小説も読んでみたいです。


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://northlily.blog135.fc2.com/tb.php/4-4461dfa2
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。